第3回 民主・仙谷塾 2006年7月22日(土)/於:鳴門グランドホテル

テーマ…えさし地産地消条例/講師…佐藤邦夫氏(岩手県奥州市議会議員)/参考図書…分権論〜自治体が地方政府になる(田島義介著・公人の友社)


司会(乙井):今日の司会を務めさせていただきます東京事務所で秘書をしています乙井と申します。宜しくお願いします。本日は岩手県の奥州市、旧江刺市から市会議員の佐藤邦夫さんに来ていただいています。

 お配りしている資料の中に「えさし地産地消推進条例 成立までの経緯」がありますが、昨年、半年かけて市民協働、市民との意見交換を続けながら、江刺の農業の発展、推進のために地産地消推進条例を制定しました。

 その中心になって活動され、さらにローカルマニフェスト推進にも中心になって活動されている佐藤さんをお招きしてお話をお伺いしたいと思います。では塾長の仙谷代議士から挨拶を頂きます。

仙谷由人:塾も3回目になりました。皆様方の熱意でこれだけ多くの出席者、ご参加いただける方々でこの塾が続けられています。皆さん方の情熱に敬意を表したいと思います。

 先般、名古屋の愛知大学の法科大学院のロースクールで90分の講義をしました。また徳島文理大学のあわ山城政経塾という学生が中心の同好会において、40分間の講演をしました。

 愛知大学では、主にこれから法律家を目指す職員にとって大事なことは何かということを話しました。また、これからは、リーガルマインド(:法律的な物の考え方)が必要になってくるという話もしました。法科大学院、ロースクールでリーガルマインドを身につけていれば、例え法律家、つまり弁護士、検事になれなくても、これから社会の役に立つ職業としては随分領域が広がっているという話しをしました。

 その一つの例として、地方議会で議員立法をしたり、条例を作りますと、やはりリーガルマインド(:法律的な物の考え方)を身につけている人は、立法策定過程において力を発揮できます。やはり法律的な物の考え方は、議員にとって、また議員候補者にとって、やはり基礎的なものであるという意味です。

 地方議会で条例を作る場合、議会事務局の中で法律を作り、さらに法律の技術を習熟された人が相当数、必要になります。例えば、国会でいえば、衆議院法制局、参議院法制局になります。

 この法制局は、大変な陣容です。例えば、私が「骨子を書いてきて」と法制局に言いますと、すぐに骨子を書いて持ってきてくれることになっています。また、政府には内閣法制局というものがあります。ここは、内閣法制局を通らないと、法律案を各省庁が出せないということになっています。ここにも法律の専門家がいるということになっています。愛知大学ではこういう話をしてきました。

 政治家になるにも、議会事務局という仕事に就くにも、「準司法機関」とか「独立の行政機関」といわれる公正取引委員会や、あるいは証券取引等監視委員会や食品安全委員会とか、航空事故調査委員会にも、これから専門家が必要になってくると思います。

 地方での地方労働委員会も、「準司法機関」とか「独立の行政機関」に該当しますが、紛争解決の調整というものを考えますと、別に司法試験に受かってなくても、有能な人材が必要になってくるだろうと思います。あるいは、会社でもコンプライアンスがあります。

 先般、徳島文理大学のあわ山城政経塾に行ったときには、「政治とは何か」という話を学生にしました。私は、政治とは、国民が生きていく中で必要なものを決める所であり、決め方が、代議制、議会で決める事が基本になっている。従って、政治家になる場合には、日本の場合、議員と首長は、ニアイーコルで結ばれていると思います。

 もう少し具体的にいいますと、税金で何をするのか。つまり我々の生活に必要なものを税金でやっていく、また、税金の使い方を決めるのが議会だと。あるいは、地方議会でいえば、首長との二元代表制です。2つの別々の代表ですから、首長が「ここに予算を使いたい」といったときの、その監視、チェック、承認するというのが議会の仕事になります。

 なぜ今まで地方議会がそこで予算の決め方に関与する、あるいは議会で決める。議会で、議員の皆さんが、条例という形で条例を提案して決める、という形に見えてこなかったのは、何故なのか。

 ここは、よくいわれる中央集権的な霞ヶ関による資源配分や、予算配分、あるいは事業の許認可権が、中央省庁に握られているという事です。この間、地方分権と謳われて10年になり、分権に関する法律ができて分権が進んできましたが、決定的には進んでいません。

 従いまして、国会議員の仕事は、完全に分権改革ができるように、中央の許認可や予算の補助金という名前で行われている予算の配分を、徹底的に壊す事が国会議員の大きな仕事だと思っています。

 次は、地方においてその使い道を決める、議会が決めるというその受け皿がないとうまくいきません。地方議会は、分権の受け皿としての機能ができていない部分があります。議員の皆さんが話し合って、条例を出して、条例で決めていくという事にはまだまだ不十分だと思います。

 そこで、次の統一地方選挙が来年ありますので、私としましては、一人ひとりの議員、候補者、会派、あるいは政党が次の統一地方選挙を戦うにあたり、ローカルマニフェスト、つまりその地域、地域のマニフェストを作って、それで選挙を戦って選挙の後に、そのマニフェストで住民にお約束した事の実現を図っていく事が一番重要だろうと思います。

 それも条例という形で、議会で決めていくという事になれば大変いいのかなという思いで、この塾の講師を選び、あるいは全体的な日本の現状を学んできました。

 そこで今日は、江刺市、今は奥州市の市議会の佐藤邦夫氏が「えさし地産地消推進条例」というのを、本格的に議員立法で見事に作ったというお話をお伺いしようという事で企画をさせていただきました。

 地産地消というのは、流行り言葉になっています。この地産地消を、深い意味で我々の生活の安心・安全・安定に結びつくような何か、政治の方から見て、政策としてあるのではないかというのが地産地消だと思います。さらに地産地消を、議会で条例として決めることが必要です。

 その事の意味、そしてそのプロセスで何が起こったのか、起きるのか。あるいは起こさなければならないのかという事が、まさに政治や運動論として問われていると思います。

 そんなことで、今日は、岩手県の江刺市、大変遠い所からわざわざお越しいただきまして改めて感謝を申し上げます。大変参考になると思って楽しみにしております。一つ張り切って佐藤さんのお話をお窺いいして、恥ずかしがらず自由闊達にどんどんと意見や質問を出して頂ければと思います。少々冗長となりましたが、佐藤さん、宜しくお願いします。

司会(乙井):それでは、佐藤市議の方から30分から40分くらいお話を頂きまして、その後質疑応答とさせていただきます。どうぞ宜しくお願いします。

佐藤邦夫:みなさん、こんにちは。岩手県奥州市からやってまいりました佐藤邦夫です。お呼びを頂きまして、本当に感謝を申しあげます。

 この3月19日に5市町村合併、民主党代表の小沢さんの聖地であります、水沢市、江刺市、前沢町、それから衣川町、胆沢町の5市町で合併しまして、その後選挙がありまして、旧江刺市では2期務めまして、現在3期目です。

 今、59歳ですが56歳のときに、早稲田大学大学院の公共経営研究科という大学院に入学しました。私が入学したときの研究テーマが「都市と地方の交流研究」です。江刺市は農業地帯で、江刺の農業をどうしたらいいかと考えますと、都市との交流が必要であると考え、修士論文のテーマをこのテーマで勉強しようと思いましたが、元三重県知事で早稲田大学大学院教授の北川正恭先生とお会いしまして「マニフェストと地方議会議員」というテーマにしました。

江刺(奥州)市と「えさし地産地消推進条例」

 先程、奥州市といいましたが合併直後ですので、江刺市の説明をします。江刺市は人口が三万三千人、戸数にすると一万戸です。そのうち六千戸が農家で、農業中心の町です。「えさしりんご」というのがあるのですが、皆さんご存じでしょうか。去年大阪の市場で一箱20万円、それから「ふじ」というのがあるのですが、それが盛岡市場で、一箱55万円という値段がつきました。ブランド品です。

 それから江刺金札米というお米の銘柄がありますが、これはヒトメボレなのですが、新潟のコシヒカリと同じで10年間連続「特A」という商品です。農薬を2回ほどしか使わない特別栽培米です。これも江刺市の農産物の半分を占める主力商品です。

 地産池消条例の話に入る前に、江刺市には産直というものがあり、私は江刺ふるさと市場という産直の生産者の組合長をしています。生産者が195人、売り場の面積が110坪で、年間の売り上げが4億3000万ほどです。その中で純然たる農産物が3億円程度で、これは比較的に名が通っているクラスかなと自負をしています。

 それでは、「えさし地産地消推進条例」の話に移ります。まずここで、議員の方、議員を目指している方もいらっしゃると思いますが、皆さんは何で議員になろうと思っているのでしょうか。

 私が想像するに、やはりこの世の中を良くしたい、あるいは子供たちの為、この地域の役に立ちたいという気持ちからではないかと思います。

 私が議員になったきっかけは、徳島から盛岡大学付属高校に小石川君という野球留学生に、盛岡大学付属高校に来ていただきました。その時に私が盛岡付属のPTA会長をしていまして初めて甲子園に出場しました。その時に、先生方がまるで他人事のように、本気にならなかったのです。このような先生方の行動や言動を見て、これでいいのかなという節がありました。このことが、私が議員になった大きな出来事です。

 これからは世の中を変えていかなければいけない。そのためには強い意思を持って、「こういう世の中にしたい」、「こういう地域にしたい」という声を出していかなくてはなりません。その場合、例えば議員が、教育をどのようにしたらいいか、地域の学校をどうしたらいいかという時に、議員ができることは何でしょうか。例えば、市民の先頭に立って、市民運動を起こすことかもしれません。あるいは、防犯隊のジャンパーを作って子供を安心・安全に学校へ通わせるという地域を作るという行動もあるでしょう。究極は、議員が使える権力、力を存分に利用する事ではないかと思います。

 私が、「えさし地産地消推進条例」を作ろうと思った動機は、早稲田大学大学院に行って北川先生にご指導をいただき、感化を受けたというのが大きな理由です。

 また合併を控えて、私の同級生や友人はみんな農家ですので、江刺ブランドのお米やりんごや、農業がどのようになるのか。その時に、「江刺のりんごのブランドを守ってくれ」、「りんごや米をもっと高く買ってもらえるようにしてくれ」「安心して作れる農家が、収入が得られるような農業政策をしてくれ」そういう要望を直接耳にしたり、頼まれたりしたのがきっかけです。そして、今までやってきた農業が、30年後も40年後も必ず中心になるという強い意識を持たなければいけません。

 今、食育が盛んにいわれていますが、私は、農家や農業に携わる人達がもっと尊敬されるような世の中にならなければ、農業がだめになると思います。公務員で課長、会社の中で部長をしているといいますと、「凄いね」と尊敬されますが、農家の人はあまり言われません。農家が、もっともっと尊敬される世の中にしなければいけないと思いました。

 人間生きていくには、自分で作るか、あるいは作ってもらうかしかありません。作ってもらうのであれば国内もありますし、海外もあります。いずれにしても命の源である食料を生産する人を、もっと尊敬しなければいけないと思います。

 農協や商工会議所、それから学校給食の調理の方々、あるいは学校の校長やPTAの方々との話し合いを重ねた中で、私が考えてこなかった事がありました。それは、学校の校長先生がたまたま私の同級生だったのですが、「私は、先生になってから400人の生徒を受けもってきたが、その生徒たちに江刺市から出て仕事をしなさいとは一度も言った事がない。自分が盛岡や仙台や東京に行って働きなさいとは言った事がない。できれば地元に残って農業をやってもらいたい。そういう思いを常に抱いてきた。」とおっしゃっていました。

 さらに「この、えさし地産池消推進条例は、まさに子供たちを農業に引き止められる1つの道具になるのではないか。自分たちの作ったものが、あるいは自分の祖父や父が作ったものが、美味しくみんなのためになって喜ばれる、そして、家族で力を合わせて、その土地の農作物、加工品を、自信持って、愛着を持って生産をしたり、食べたりする事が、江刺を愛する気持ちに繋がって、残ってくれるのではないかと思います」というお話を頂きました。

 「日本を愛しなさい」、「郷土を愛しなさい」というのを教えるのも必要ですが、そういった地元、自分の両親の仕事に誇りを持たないで、なぜ、郷土を愛する気持ちが湧くのかなと思います。やはり自分を愛し、家族を愛し、地域を愛する事が、自分の地域の誇りを持つ事だと思います。やはり地元で「美味しい」と言いながら食べるからこそ、外に行っても売れるのだと言う事になると思います。

住民との対話のプロセスを重視

 小沢代表の出身地ということで、岩手県では民主党が強い土地柄です。私の住んでいる奥州市でも、ほとんどの市会議員が、民主党というよりも小沢代表の支持者です。江刺市の議会は、22人です。

 その内、議長、副議長を除いて、20人で推進議員連盟を立ち上げました。その20人の中で、1人は公明党、もう1人は浮いていた私だったのですが、民主党が嫌いなわけではありません。どちらかといえば民主党です。私の地元にも、民主党の国会議員がいますし、友達もいます。そういった中で、私が浮いていて、会派はなかったのですが、仲間はずれになっていました。

 そんな中で、何で議員提案条例ができたのかと、不思議に思われた方もいらっしゃると思いますが、やはり地産地消推進が、党派を超えて認識があったというのが大きな理由です。

 やはり地産地消を推進して、江刺市の農作物をもっともっと広めていこう、農家の人達のためになろうという思いが、党派を超えてありました。党派というよりは、市会議員の中で公明党以外は無所属ですので党派はないのですが、考え方に関係なくできたのは、産業を何とかしなければならないという意識があったと思います。

 最初、こういった浮いた私ですので、いわゆる議員提案条例、推進条例を作るための議員連盟を作りましょうという文書を書いて、署名をして、判子を押してもらいました。そして判子をもらって、過半数に届けばいいかなと思っていたのですが、20人の方に賛同していただきましてスタートしました。

 この立上げには先程も申しましたが、早稲田大学のマニフェスト研究所の草間君という学生、私の1級後輩ですが、今はマニフェスト研究所の職員になっています。この方のアドバイスを頂き、貴重な手助けを頂きました。この方がいなかったら、できなかったのかなと思っています。

 先程、仙谷先生が、議会事務局のいわゆる法律にあたる方、様々な作業をしてくれる方が、今後、議会事務局には必要だとおっしゃっていましたが、私もその通りだと思います。その議会事務局の不足を、マニフェスト研究所の草間君に頼みました。今の議会事務局に、そういった法律的能力、今までの経験がないということであきらめてはいけません。シンクタンク等も利用できると思います。

 そして、議員連盟を作って、それを3つにグループ化しました。それぞれの担当を決めて活動しましたが、一番気をつけたことは、これが単なる議員の思いつき、パフォーマンスで終わってはいけません。

(図1参照)、その中で様々な講演会をしました。 そうしますと、必ず空中分解しますので、市民との対話や意見交換会のプロセスを大事にしました。レジメの中に書いていますが

※図1-えさし地産地消推進条例成立までの経緯(概要)

開催日
意見交換開会等   参加対象
出席者数
04月05日
04月20日
えさし地産地消推進議員連盟結成 第1回総会 記者会見
岩手県庁農林水産部 高橋昭雄氏講演    産直組合員

100人
05月08日
05月25日
 
江刺市議会市制調査会
岩手県庁 津軽石氏(前県議会事務局課長補佐)のレクチャー
議員連盟定例会

06月13日
06月21日

06月27日
06月30日
岩手大学
給食センターとの意見交換会  教職員  給食センター職員
議員連盟定例会
JA江刺市との意見交換会   生産者  JA職員  幹部
議員連盟定例会
35人

35人
07月09日


07月20日



07月22日


07月28日


07月30日


地産地消を考えるお母さんの会     主婦  NPO幹部

第1回地産地消シンポジウム実行委員会その後連続して開催
桜木団地住民との意見交換
議員への条例案アンケート
ここから政策法務部会による条例素案づくりが始まる
5月〜 江刺市内小中学校での議員による食育授業の開催
江刺市立田原小学校 増田知事による食育授業
増田知事と議員との意見交換会
議員連盟定例会
条例素案発表  記者会見
江刺市役所HPでパブリックコメント開始
ここから市役所担当職との条例案についての折衝開始
えさし地産地消シンポジウム(筑紫哲也氏 鈴木輝隆氏)
会場内パブリックコメント
シンポジウム出席者意見交換会
15人


20人








700人

125人

08月03日
衆議院選挙

商工会議所への説明会  市内商工業者
この間、条例案を政策法務部会が中心となり作成 津軽石課長
行政側との最終打ち合わせ
25人


9月13日
9月22日
9月28日
9月30日

行政、議連間での条例案調整  政策法務部会
議員連盟定例会
JA江刺市への条例案説明        生産者 JA幹部
市会定例会最終日 朝の議員連盟臨時会で提案を見送る事を確認
会長記者会見


17人


10月5日
10月18日
10月28日

商工会議所への条例案説明会
議員連盟会議  臨時議会での提案を決定
江刺市議会臨時会において全会一致で条例案を可決
議長・会長記者会見
30人



 ひとつには、岩手県で条例にはなっていませんが地産地消の岩手県の取り組み。食材に関することを定め、首都圏での食育、出前、授業もやっていまして、県庁の職員からまず岩手県の地産地消の取り組みについて講演を頂きました。

 さらには、その岩手県議会で、これもまた議員提案条例が4本5本と出ていますが、ここの仕掛け人である津軽石さんという方がいまして、この津軽石さんから講演をして頂くために議員全員で出向いて、何故今議員提案条例なのかという事を2時間ほど講演していただいて、意識の統一を図りました。

 その間にも、農協、農協部会、江刺の農協には野菜部会、トマト部会、畜産部会、米部会があるのですが、そういった部会長と意見交換をしました。農協との話し合いの中で、これまた1つ心に留まる発言がありました。「こういったことをしてもらって、初めて議員と話す事ができる。突っ込んだ話ができる。」という発言がありました。

 私は地元で報告会をしていますし、色んな会合に呼ばれた際、お話させていただいていますが、政策の部分で突っ込んだ話はしてこなかったなと思いました。やはり意見交換のような行動を起こすことによって、市民の皆様や団体の皆様は、やはり議員と話しがしたいという事を実感しました。

「食育」と議員報酬の課題

 地産地消のテーマが、学校給食です。江刺市の場合は、3000人近い生徒がおり、給食をセンター方式で各学校に配っています。3000人近くいる生徒に、給食の量が揃わないだとか、値段が合わないという話しがあります。

 調理師が給食献立を考える時に、我々は産直ですし、農協や団体、納品業者と献立の話をすると、「この時期にはジャガイモがいいよ」とか「ナスなら安く手に入りますよ」という話を、献立ができる前にできたらいいのではないかという結論が出ました。さらにどの程度学校給食に地元の食材を使っているか、公表の義務を条例の中に入れました。

 旧江刺市における議員の選挙区は、10地区あります。1人の所もありますし、複数人の地区もあります。その地区には小学校がありますが、議員が手分けをして食育を行いました。食育の資料は、議会事務局が集めて発表し、テーマを設定するのですが、今回は議員各自が揃え、ある小学校では、小学生と一緒に給食を食べてその後にお話をさせて頂くという事もありました。さらに、議員と小学校4年生と、1時間程度話をしました。このように小学校に足を運び、色んな話を聞く事は、議員にとって大変よかったと思います。

 「食育」という言葉をただ使うのではなく、誰がどのようにしてあげるのかという事は、まだどこの地域でもなされていません。北海道恵庭市の中島市長は、給食センターが食育を担うべきだというお話しもあります。

 仕上げとして、増田知事に江刺市に来ていただいて、食育を理解していただくという事も活動の中にありました。住民の声を聞いたり、各担当の人に話を聞いたり、これを拾い上げて条例にしましたが、担当部局、農政課、総務課とすり合わせをしました。しかし、執行部側からすれば、どうしても条例は、行政側から出されるものだという意識が強くて、合併するのに何故こんな面倒なことをするのかという意識もありました。しかし、私達はそれを押し切ってまとめました。

 まとめ上げたのですが、今度は先程申し上げた20人の議員から、「佐藤邦夫が先頭に立っているのはだめだ」という声や、「条例にしなくてもいい。綱領でもいいのではないか」という意見も出ました。当初予定していた定例議会の最終日に提案しようと考えていたのですが、結局、パワーゲームでダメになりまして、臨時議会に賛成の議員が提出して、臨時議会で成立しました。

 先程申しましたとおり、各議員に署名をして判子をもらいました。その中には最終的には議員提案条例も目標にするという文面・内容が入っていましたので、これが最初の目論見通りになって大変よかったと思っています。

 何しろ私達にとって、議員提案条例は初めてのことでしたので、意見交換会をするにしても自分達の方法でやりました。江刺市の議会事務局は合併を控えていましたので、色々忙しかったものですから、議員自らが呼びかけをして会場の手配をして、パンフレットを作ったりしましたので、人的に大変だと思いました。このことから、条例を作る時は、やはり議員の活動費は相当なくてはいけないなと感じました。

 私は、一般質問で市長に対して、議会をどのように考えるかを質問しました。『地方分権一括法ができて、地方の時代です。今までは国の下請け機関のような存在であったのだが、地方分権の流れの中で議会をどのように考えているのか。もし執行側が地域のために議会と一緒になって新しい地域を作るという考えであれば、議員の報酬と政務調査費を増やしてくれ』という発言をしました。

 ちなみに奥州市の報酬は、月額で32万1000円。私の場合、手取りは22万円で、政務調査費は月額1万2000円です。これでは何もできません。ただ議会で賛成反対の議決のときに手を挙げるだけであれば、この報酬でいいのかもしれません。

 しかしそういう状況で、若い人が意欲を持って議員になれるかといいますと、私は違うと思います。やはり議員には、子供を学校に送り出して生活ができるような、また議員提案条例を作るには、市民との対話や意見交換、さらに自分でも法律的な事を勉強しなくてはいけない。これからの地方議員は、議員提案条例をたくさん出させて、それなりの報酬を出すべきだと思います。現在、私は、議員の報酬問題における運動にも取り組んでいます。

 ここにいらっしゃる議員やいずれ議員を目指す方は、たくさん優秀な方がいると思います。しかし、私は議員というものは、馬鹿だと思っています。なぜなら、議員よりも、農業に従事している人の方がよっぽど頑張っていて、優秀だと思います。

 馬鹿は馬鹿なりにめげずに、自分はドンキホーテであると思って、地域の人達や、子供達の為に頑張っていただきたいと思います。これで私の話を終わりにしたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

司会(乙井):大変、素晴らしいお話をありがとうございました。どなたか質問のある方いらっしゃいますか。

黒崎氏:仙谷事務所で秘書をしております黒崎と申します。宜しくお願いします。民主党徳島県連では、第一産業を担当しています。佐藤さんのお話をお伺いしていまして、県の講演を頂いたり議員とも協調を取られたりと、すんなりとできたのではないかと思いますが、生産者の方から条例を作る前と、条例を作った後のどんな反応、変化、リクエストが出たのかというところをお聞きしたいと思います。

佐藤邦夫:生産者の方からは、ありませんでした。あったのは、学校の関係者や食育の関係者です。ただ生産者の中で「何故こんな条例を作るのか」「こんな条例はいらないのではないか」という声がありました。

 条例そのものを議員が言い出すと、縛られるものだという節があります。これは生産者を縛るものではないことを訴えていきながら、産直を利用してパンフレットを作って条例とはどういうものなのかを、1週間ぐらい言い聞かせてきました。はっきり申し上げて、私の地域は4000〜5000人住んでいるのですが、江刺の中では一番意識が高い地域であったのが幸いです。

村上氏:徳島市議会議員をしております村上と申します。大変興味があるお話で勉強になりました。いくつか質問があるのですが、一つは、今、お話の中で最終的に議員提案条例に反対の立場であった議員のお話があったのですが、例えば徳島市であれば、その条例を提案しようとした段階から反対意見が出て実現が不可能な状態になってしまうと思います。その辺の経緯が最初の段階で、何かテクニックといいますか、手法的なものがあったのかどうかをお聞きしたいと思います。

 条例制定まで短い期間精力的にこなされていまして、中身を見てみますとシンポジウム等々で大変お金のかかることが多かったと思いますが、その辺をどのようにやってこられたのかもお聞きしたいと思います。

 個別の話ですが、市役所のホームページで、議員提案をしていない段階でパブリックコメントを出されたのは、我々の議会の関係からしますと非常に驚いています。江刺市の市役所の部課でパブリックコメント(:行政の政策立案過程で国民の意見を聞く制度)が出せる事ができるのか、どうなのかというお話をお伺いしたいと思います。

佐藤邦夫:徳島市では、最初の段階でパワーゲームになり、賛同を得られないというお話でしたが、当初は私もそう思っていました。20人を集めるテクニックは何もありませんでした。「当たって砕けろ」という気持ちでやりました。地産地消推進というのは、殆ど農家で、議員も7割が農家ですので、江刺の農業を何とかいなければいけないという思いは、自然と集約されていきました。江刺市がそういう風土であったというところもあったと思います。

 この議員提案条例は、誰も反対しないテーマであったという事がいえると思います。また、市民との対話を心がけ、プロセスを大事にしました。これは、市民からの声だから、誰も反対できないという事を浸透させました。

 市民運動から始めるというのも、一つのテクニックかもしれません。それから、予算的には、農協とは大切な関係を築き、何かあったら助けてもらうという関係を結びました。それから、江刺市長、現在は奥州市の市長ですが、市長にも援助して欲しいと申しました。市から40万、農協から30万、私が生産者組合長をしているふるさと市場から5万円、商工会議所から5万円といった80万円の予算を組みまして、最終的には60万使用しまして、残り20万は各団体にバックしています。

 それから、パブリックコメントができたのは、なぜか。これはやはり市長との仲といいますか、市役所の中にも広報担当の職員が真面目に取り組んでくれました。また、江刺議会には、議会報というのがあります。江刺市のホームページに、議会にリンクする方向で入れてもらいました。これは比較的ラッキーだったと思います。

 それから条例の中身でよかったと思った点は、食材購入の状況公表ができたことです。つまり、いくら使っているかという事です。また、生産者と消費者、商工団体を含めて継続してお互いの立場を話したり、意見交換会をしたりといった、江刺地産地消会議を設置しました。

 これは役所からの押し付けの会議ではないものですから、大変盛り上がりました。議員提案条例は、行政側が出す条例と議員提案条例の差か、市民直接の声が入るということで、行政側は市民の意見を聞くという事はあらかじめできた段階で意見を聞く事が多いですので、いろんな横断的条例が作れると思います。

 条例制定をする事により、予算がついてきます。予算化により、食材の産直における補助をつけましょうといった予算がついてくるということが非常に大きいと思います。

 逆に言えば、予算化するために、条例を作るというのも一つではないかと思います。それから、合併後の奥州市でも地産地消推進条例を、2年以内に復活させたいと思います。何しろ合併したものですから、新たな市長との話し合いや、意見交換会をやらなければいけないと思います。そこのところも、ケアしていきたいと思います。

村上氏:ありがとうございました。もう一点だけお聞きしたいと思います。たくさんシンポジウムや意見交換会をしているのですが、この場合は市の予算がついてきたりしていますが、このシンポジウムの際、司会進行などは佐藤さんや議員の方が仕切るということですか。

佐藤邦夫:そうです。会場費は、無料の会場を使用しました。来ていただいた方に、交通費やジュースなども出しませんでした。市民の方は、我々が思っている以上に、非常に真面目だと思います。意外と議員のほうが、不真面目なのかも知れせん。食育の意見交換会の際には、お母さん方は発言してくれましたし、子供たちの事になると真剣に取り組んでくれるということを感じました。

中谷智司:来年の参議院選挙に挑戦します中谷智司と申します。佐藤さんがおっしゃったように政治というのは市民、国民と一緒になって変えていくものだと思いました。

 今回、本当に苦労されて議員提案条例を作られたのですが、議員提案条例をやる事によって、議員の考え方が変わったのかということをお伺いしたいと思います。それと、市民の方々の考え方は、どのように変わったのか、其処のところを是非お伺いしたいと思います。

佐藤邦夫:津軽石さんという(県庁の)県議会の事務局をされた方が、江刺の市議会のアンケートをとりました。回答数が14人でした。議員提案条例を作るまでの議員の意識において、今までの仕事とは、執行側へのチェック、あるいは住民の代表、という意味の議員が多かった。しかし、議員提案条例を作ってからは、地域の活動をしたいという意見が、調査結果を見ますと増えています。

 私が感じたのは、江刺の議員は22人だったのですが、新しく奥州市議会になりました今回の選挙で41人中12人でした。個人的な感想ですが、今まであまり一般質問や本会議での発言がなかったにも関わらず、今度合併した後は、旧江刺市の議員が一番多く発言をしています。

 もしかしたら、これも関係あるのかなと思います。市民の皆さんの反応ですが、地産地消という言葉が、常に会話の中に出てきます。さらに、議員提案条例も「じゃあ議員提案条例をやれよ」というような言葉が、市民の皆様から出てきました。

 江刺の地産地消条例をどのように評価しているのかは分かりませんが、広く普段の会話に出てくるという事は、変わってきたのかなと思います。

中谷智司:もう一点ご質問したいと思います。今回大変なご苦労をされて作られたのですが、次にまた、条例を作りたいとおっしゃられていましたが、前回の地産地消条例の時の中で色んな経験をされたと思いますが、次、議員提案する時には改善したい点や、あるいは、次はどういう分野の政策条例を提案したいかを教えていただきたいと思います。

佐藤邦夫:反省点は2、3あります。一つは議会事務局に法律に詳しい人がいません。最初から専門家がいないということで、当てにしませんでした。

 これは、後から考えると失敗だと感じたのですが、市の担当部局とは最初から相談をしませんでした。大体素案ができた時点で、相談をしました。最初から「どういう方向があるのか」といった相談を、県の担当部局や、議会事務局の力も借りて一緒にやる事がいいのではないかと思いました。

 それから先程、地方分権の話がありましたが、今度は、自分達の計画立案のもとで、自分の責任において果たさなければいけません。ここは多分、執行側もなれていないと思います。執行側も、自分で立案する事も大事ですが、市民は、直接自分の代表である議員と組んで何か地域のことをやれば、議員にとっても、執行側にとってもいいことだと思います。ですから、地方分権の進む道は、議員と市民、行政の連携だと思いますので、これから条例を作るときはこういう連携をしていこうと思います。

 新しい取り組みについて、条例になるか分かりませんが、仙谷先生の専門であります地域医療、今、奥州市総合水沢病院では大変な赤字で、毎年6億円以上の一般会計からの繰り入れをしていますが、それでもまだ1億、2億の赤字です。累積赤字が30億程度あります。

 奥州市の中には、県立病院が2つあります。また市民病院や町立病院、診療所があります。そのような地域医療をどのようにするかということを、県が2010年度にまとめて答申を出すようになっていますが、県の答申が出る前に、奥州市の医療を「こうするべきだ」というものをまとめていきたいと考えています。

仙谷由人:地産地消条例を議員立法、議員提案で作ったということは非常に大きい事だと思います。マニフェストを作っても意味がないという反応が割とあると思います。条例に至っては、ある政策課題を条例に仕上げていくのは面倒だし、難しいのではないかという気持ちが地方議会の議員の方々には多いと思います。

 先程も申しましたが、専門家の力がいると思いますが、議員それぞれが専門家である必要はないと思います。理解できれば、専門家は外から募ればいいという話だと思います。

 私は法律家になって38年程度経つのですが、実は政策フォームといいますか、立法する仕事に携わった事は殆どありませんから、法制局がやるように、一行一行ちゃんと書いて来いといわれれば、時間があればできないことはないけれども、それでもあの職人芸はできません。

 だから大雑把に、「あれとあれを書いてくれ」というようなことを言うと衆議院の法制局が「これでどうでしょうか」と持ってきて、そこから議論が始まります。そこから骨子が大綱になり、大綱が法律案要綱になり、法律案になるという議論の過程で法律はできてきますので、そんなに恐れる事はないということを申し上げておきたいと思います。

 実は、日本は、体系的なものでなければ、条例や法律を作ってはいけないという妙な固定観念があります。佐藤さんが、地域医療の地域医療計画を作ろうということを、岩手県の義務、権限として作らなければいけないという話だと思います。

 「条例になるか分かりません」と佐藤さんは言いましたが、私は条例を作ったほうがいいと思います。その条例も、奥州市の医療計画みたいなものを書いても全く問題はないと思います。といいますのは、今度、国会でガン対策基本法をやるときの発想も、政府与党は、医療法、健康保険法の改正といった全部の改正案を持ってきました。これに対抗する改正案を出そうと思っても、野党は無理というか、理事者がそれを出そうとしているときに議会は無理で、我々の考えたショットガンでいいのです。

 つまりがんの事だけを扱おうと、もっと具体的なことを言うと、乳がんのことだけを扱おうと、乳がんの検診の事だけの法律を作ろうということで、十分いいと思います。

 これは実は、元々日本は、総論があって各論がないと気持ちが悪いという法律の癖があります。ところがアメリカやイギリスは、具体的な事例から判例の積み重ねの国ですから、草の根の中から必要なものを法律という形、条例という形で表していくという、法律についての観念が違います。

 アメリカの連邦では、乳がんの精度管理法という細かい法律を連邦で作っています。つまり、乳がん検診のマンモグラフィーを使って行う乳がん検診の精度、精度管理法を作ってそれに従事する人はどういう資格を持っていなくてはいけないとか、国はあるいは連邦、州はこういう手当てをしなくてはいけないとか、そういうことを連邦法で法律にしています。しかし、日本の場合は、そんな位置のところを法律や条例にすることはけしからんという雰囲気がありますが、私はそうは思いません。

 例えば、医療でいえば、奥州市の医療の小児科医療体制だけでも、これはこうしなければならないという住民の要望であれば、産科だけでも、市長も市の義務として、住民に対する義務として、こういうものを作れということをやれば、計画の中で当然実現させるために動かなければいけないという義務を、与えられるのではないかと思います。それは部分であってもいいと思います。

 住民が必要としているのであれば、その政策を陳情するのもいいのですが、それだけでなくて、議会で政策として表現してやるというのが条例ですから、条例ができれば予算がついてくる、とおっしゃいましたがその通りだと思います。特に、市民運動的な様子を経ながら条例ができたら、首長も予算をつけなければいけないと思います。

 今度、奥州市は地産地消条例のあとは、例えば子供の通学安全条例とか考えたらいっぱいあると思いますが、現在思いついている条例案はありますか。

佐藤邦夫:今は、2年以内に地産地消条例の再提案と地域医療を提案したいと思っています。せっかくですので、マニフェストの件でお話させていただきたいと思います。先般、市長選挙がありました。5市町合併して3人立候補しました。旧水沢市長の高橋光夫氏、旧江刺市長の相原正明氏、元衆議院議員の高橋嘉信の3氏が立候補しました。旧水沢市は全体の有権者数の45%、江刺市は全体の25%です。この中で、マニフェストを出したのは、江刺市の相原正明氏だけです。

 結果的に、当選したのですが、選挙の過程において、徳島と一緒で、最初は「マニフェストや政策はいらない、まず行って握手して挨拶して回れ」ということでした。これが変わってきたのが、選挙投票日の2日前です。これが、決定的になったと思います。

 そう確信するに至ったのは、江刺の市長の後援会会長は90歳です。選挙に初めて参加したのですが、当選した後の挨拶で、今までであれば「当選してよかった、よかった」で終わったのですが、今後はそうは行かない。後援会長さんが「市長選、勝ってマニフェストの、重みかな」と、一句詠みました。当選した選挙応援以上に、掲げたマニフェストを実現するように、これからも応援していきましょうという事を90歳の方が言いました。

 マニフェストという言葉が浸透しましたし、マニフェストを掲げましたから、政策論争、議会でも市長が掲げたマニフェストはどうなのだ、というやり取りがありました。

 今回はマニフェストによって差が開きましたが、私はマニフェストそのものは、政治や政治家に対する信頼回復の道具だと思います。当たり前のことをやりましょうということですので、ここにいらっしゃる議員の方、あるいは目指される方、約束をして守る、その為に検証する。検証するために期限、財源を入れるという捉え方をしていただいて、私は市民の皆さんを巻き込んだ地域づくりをしていただけたら、ありがたいと思います。

青木氏:地産地消条例の過程を見てみますと、私は大阪に住んでいるのですが、現在の大阪市の市役所の中や議会を見てみますと、とてもこのような議員提案条例を作るといったことはできないと感じました。この条例を作るには、しがらみがない状態であればこそ出来たものであると感じまして大変驚いています。

 大阪市では政務調査費の不透明さが露呈していまして、議員に対する報酬が問題となっています。お聞きしたいのは、奥州市では政務調査はと議員報酬はどのようになっているのか教えていただけたらと思います。

佐藤邦夫:政務調査費と報酬は、定員は市民から言いますと定員カットはあまりいいとは思っていません。どうしても議員が出ていない地域は遅れてしまいます。

 今度合併して地域協議会というものができました。これは5市町合併した中で各市町から選ばれて全体で20名がいます。

 この地域協議会は、地域の代表や、団体の代表者が、費用弁償で江刺の事を決めてしまいます。そうしますと、議員は代表者が決めたことに反対できません。では議員はいらないのではないかという思いがあります。

 地方分権は、議員にとって本当は死活問題です。ここで住民が20万も報酬を渡し、政務調査費も要らないのではないかという声を上げれば、費用弁償で議会みたいなものができるかもしれません。ただ、多様化する社会において、議員が専門知識を持ち、みんなで一緒に議論ができる考えがあるということを、市民に知ってもらい、理解が必要だと思います。

 私の報酬は、手取りで30万、政務調査費は月10万必要だと思います。一人に10万はできないと思いますから、何人かのグループでもらうということは必要だと思います。

司会(乙井):ありがとうございました。佐藤邦夫さんにもう一度拍手をお願いします。

                                   以上