第1回 民主・仙谷塾 2006年3月19日(日)/於:ホテル千秋閣

テーマ…日本の現状認識/方法…「データで示す日本の大転換」(大武健一郎著・かんき出版)を読んで討論/講師…仙谷由人

※記述の中のデータ○〜、○ページの〜などの表現は「データで示す日本の大転換」の中の引用です。


塾長挨拶:仙谷由人

はじめに

 今日は皆様方に参加をして頂きました上に、大変お忙しい時間帯にご出席をして頂いております事、心から感謝申し上げます。

 今の日本を取り巻く構造の中で、政治家、政治家たらんとするもの、あるいは普通の生活者も、少しでも自分達の生活が安全で、そして支払っている税金が納得のいく使われ方をしていくという社会が作られるために、今、何が問題なのか、課題は何なのか、今何をすべきなのかと言う事をもう少し、専門的に、プロ的にも考えていかなければならないという事を強く考えており民主・仙谷塾を開催しました。

産婦人科、小児科の危機

 平成16年12月17日、福島県のいわき地方の県立大野病院の産婦人科において、前置胎盤、癒着胎盤という症状で、帝王切開手術が行われ、その時に合併症を起こして妊婦が亡くなるという事件が起こりました。

 そして今年の2月18日になって急に警察が踏み込んで逮捕してしまい、3月10日に起訴をされてしまいました。

 この事件を契機に福島県、あるいは日本全国で何が起こっているかといいますと、へき地医療、産婦人科、小児科を中心として、いわゆる病院と呼ばれ、そういう科目を持っている所では、一人医長という体制、つまり、一人しか担当者がいないという体制を強いられており、24時間365日へとへとになっても働いているというような体制で、お医者さんも一生懸命頑張っても逮捕されてはかなわないという事で、特に産婦人科の世界は、医者がどんどん辞めていく事態になっています。そうなると病院も、産科、婦人科を閉鎖しなければならないという問題が起こっています。

地域に根ざした医療の保障

 我々が、医療制度改革で小児医療の問題や、周産期医療、産科、婦人科の問題、子育て、あるいは子供の問題、少子化問題に取り組むとき、ここの政策がちゃんと行われているのか、とりわけ、「データーで示す日本の大転換」というこの本の中に挙げられているような、データーに基づく日本の現状を認識した上で、その事にちゃんと対応する政策が、子育ての場面でとられているのか、あるいは地域として、それができるような仕組みをどのように作っていけばよいのか、と考えなければならないと思います。

 医療制度改革について、国会でも、地域でその事ができるような仕組みを中央がどのように支援するか、保障するかという事が中央政府の政策課題になりますし、今度は地方政府、地域での政治に携わっている人が、とりわけ、へき地といわれている地域で、どのように医療の制度が保障されるのか、という事を考えて政策にしなければならないのではないかと思います。

地方議会の重要性

 へき地といわれる地域に対し、医療を提供できる政策を策定するのは、やはり政治だと思います。つまり政治的な意思決定だということです。そして政治的な意思決定機関は地方議会です。とりわけ地方自治において、地域生活に関する事柄は、分権という仕組みの中で、住民や、住民の意思の付託を受けた地方議員が、地方議会の中でそれを作っていくという事が重要です。

 もう少し具体的にいいますとそれは良い首長さんが現れるまで待ってるとか、そういう改革的な首長を作るという事も一つの手法ですが、それと合わせて議会の中でそういう政策を、ちゃんと条例として作っていくということが極めて重要な時代に入ってきたと思っています。

地域主体で政策提起を

 地方分権一括法(2000年4月1日施行)が施行されてから6年ですが、補助金で中央の主官庁が括って、あるいは縛って、箸の上げ下ろしにまで注文を付けるという体制は、実質的には変わっていません。これを変えて、なおかつ受け皿が地域の中にあって、地域の中で条例をつくる、予算をつけるということでその政策を実現させていく事が必要です。

 少子化問題が、地域社会の、日本社会の大きな課題であるとするならば、国家的戦略の問題として、それをどう乗り越えるのかということも重要ですが、地域の住民の方々は、地域で、出産と、それをめぐる医療の問題、あるいはそれ以降の子育ての問題、保育所や女性と男性の働き方の問題、そういう事についても的確に政策提起をしていくという事が必要だろうと思います。

日本を切り拓く人材を創る

 そこで、これからの塾は講師を呼びながら、どんな課題がいいのかという事を皆様方と相談しながらテーマを設定して、そのテーマに基づいて議論をするということを基本的なやり方として進めて行きたいと思います。

 そして、もう少し言わせていただければ、来年の統一地方選挙が、一つの時間的な目標設定としたいと考えています。

 今の時代に、若々しく、これからの日本を切り拓く、改革をする、という意欲に燃えられた議員、あるいは議員候補者の皆さんに、それぞれのマニフェストを作っていただく。その為の問題意識、あるいは政策的な課題の発掘、その発掘されたものをマニフェストに直し、数値目標付きの公約にする、できれば会派を組んで各議会の中で、来年の4月以降の議会の中でやっていただくという事を目標設定にしながら、その為に約10ヶ月の間、何を勉強すればよいのか、何を勉強すべきなのかという事を一緒に適宜やって行きたいと思います。

地方のガバナンスの在り方とローカルマニフェスト

 ここに「ローカルマニフェスト 地方のガバナンス改革」という本がありますが、ローカルマニフェストという言葉は北川正恭さんが掲げて全国各地を走り回っています。それからローカルマニフェスト地方議員連盟というものも徳島にありまして、そこに参加されている方もいるかもしれませんが、徳島文理大学の仮野先生という方も活動されているということで、いずれはそういう方々と議論してみたいと思います。

 次回はローカルマニフェストとは何なのかと、地方のガバナンス改革と書いていますけれども、つまり自治体の経営をどういうふうにやっていけばいいのか、その中における議会なり、議会人、住民の役割ということを考えて、そういう目標の中でいろいろな地域の諸課題をマニフェストに取り上げていく、条例に作っていく。その為に必要な事は何なのか。これをやってみたいなと思っています。

 そんな所で、皆さんのお知恵を借りなければできませんが、どうか一つ本気で政治をよくするという事、自分の住んでいる地域をなんとか、このリスクに取り囲まれた地域を、安心で、安全で、希望に満ちたものに変えていく為に、我々に何ができるのか、何をすべきなのかという事から、そういう問題意識で政治塾を始めたいと思っています。どうか宜しくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

塾生自己紹介

司会:ありがとうございました。それでは中谷君のゼミレポートに入る前に、せっかくですので一人ずつ塾生紹介、自己紹介という形で行いたいと思いますので、お名前と一言抱負などお話いただけたらと思いますので中谷君からお願い致します。

(省略)

司会:では、今回のゼミレポーターの中谷さんにマイクを渡します。宜しくお願いします。

「データーで示す日本の大転換」のゼミレポート

中谷氏:中谷智司です。民主・仙谷塾の会員番号1番ということで恥ずかしくないゼミレポートを行っていきますので宜しくお願いします。最初に、ゼミレポートの内容としまして、この本の趣旨を報告させていただきます。次に、ポイント整理、そして著書のまとめ、そして、私の考える問題点・解決策をお話させていただきます。

中谷智司のプロフィール紹介

 その前に私のプロフィールを紹介させて頂きます。私は、徳島市生まれ、公立高校を卒業し、情報工学を専攻しました。そして、住友金属に入社、最終的にはキヤノンシステムソリューションズにいまして、昨年1月に退社し、現在は、民主党徳島県参議院選挙区第一総支部長ということで、来年夏の参議院選挙を、香川県の植松さんと共に頑張っていきたいと思います。

 大学時代には、情報工学を専攻していました。情報工学といいますと、コンピュータ全般ですが私は、この中でAI、人工知能、そして教育工学、これはパソコンを使って教育をするということと、その当時珍しいゲームを、ビデオゲームを使って徹底的に研究をしていくという事をしておりました。

 会社員時代は、最初三年は、大学時代の経験を生かし、ソフトウェア開発をしていました。その後、この開発していた商品が、約30人、約5億円のプロジェクトで、これがあまり売れなかったので、責任を持って売れということで残り8年間はこの商品の販売をしていました。

営業と言うと皆さんは、物を売るということが大切だと思われるかもしれませんが、実は何が一番大切かといいますと、お金を回収する事です。つまり、1億円の注文書を貰って、売ったとしても、その1億円が手に入らないといけない。選挙でも、「あなたを応援しますよ」といわれても、投票箱に入れてもらわなければいけないと、これを一番に考えないといけないと思っています。

Canonという会社とは何か

 キヤノンというとCanonというロゴのマークがありますがよく見られるマークだと思います。皆さんに、キヤノンの話をしていますと、外資系の会社と間違われますが、れっきとした日本の会社です。

 キヤノンの会社の名前の語源は、観音様です。キヤノンは製機工学研究所と言う会社で、初めて作ったカメラが観音カメラです。この観音というのは、観音様の御慈悲に預かって世界一のカメラを作りたいということで観音カメラという名前にしたそうです。観音がCanonになったのが社名の由来です。Canonというとデジタルカメラや、プリンターなどを販売している会社です。

「データで示す日本の大転換」の趣旨説明:

右肩上がりの成長の崩壊と国家戦略、日本人の生き方の変化の必要性

 それでは、内容に入ります。本書の趣旨ですが、20世紀の日本は、特に戦後の日本は、右肩上がりの数字が支配する特殊な経済社会であったとこの本書では位置づけています。

 量的拡大の中で成功も失敗も飲み込まれる、つまり、成功しようが失敗しようがどんな政策でもうまくいくという事です。

 そして、21世紀の日本は、特殊な経済社会からの大転換の波のさなかにいるということで、日本の国家戦略も、日本人の生き方も、変化の対応が必要であるということが本書の趣旨でした。

ポイント整理:

人口ボーナス時代から逆人口ボーナス時代へ

 それでは次に、ポイント整理ですが、第1章に、今までの20世紀型社会がうまくいったかということが書かれ、第2、3章では今の現実がどうか、第4、5章ではこの現実をどう脱却するかという事が書かれています。

 日本が何故、成長したかといいますと、人口増加につきます。1900年には4385万人の人口が2001年には1億2729万人の増加し、人口がここ100年で3倍も増加しました。つまり、人口が増加する事によって、労働力人口が増え、生産性が向上し、経済成長へと発展したのです。

 第2の理由は、本書は「人口ボーナス」という言葉をつかっています。データー2の年齢区分別人口割合をみますと1920年から2050年にかけて年齢0歳から14歳、子供の人口は減っていき、年齢15歳から64歳の労働力人口は一旦、右肩上がりにはなりますが、やはり減っていく。この中でも65歳以上の老人の人口は増加し続けるということが、ここから読み取れます。

 人口ボーナスですが、総人口等の変化率の推移からよくわかります。つまり1955年から1970年までにかけてが人口ボーナスです。人口ボーナスというのは、養う側、15歳から64歳の生産年齢人口が増え、養われる側、つまり子供やお年寄りは増えないということです。この時代に今の社会保障体制、国民皆保険、国民皆年金が作られました。ところが、1995年からこの様子が変わってきました。

 逆人口ボーナス、つまり養われる側の方が、養う側より比率が大きくなるということで、これからは全く逆の時代を迎えます。

人口減少時代突入への2度の大転換期と少子化に対する危機感

 次は、大転換期の始まりの一つのポイントが1975年です。出生率の1.91ショック、データー7に書いてありますが、出生数、及び合計特殊出生率の推移、第1次ベビーブ−ムの1947年には出生率が4.54もあって、その当時の女性は平均で4人から5人の子供を産んでいました。それから少子化が進行し、1957年には出生率は2,04までさがりました。しかしその後は横ばい傾向でしたが、1975年には出生率は1,91になり、低下傾向になりました。

 この1975年当時、政府、厚生省は、日本の女性の晩婚化が進むが、いずれ結婚し平均2人の子供を産むとの見解でしたが、皆さんご存知の通り、そういう方向とは違い、厄介な方向に進んでいきました。

 もう一つの大きなタイミングが、1995年に参ります。それは、働き盛りの人口減少が始まり、1995年の生産年齢人口は、8717万人とピークを向かえ、2000年には、8614万人と減少の一途になりました。

 そしてこの本で、最も危機感を持たなければならないとしているのが、子供の人口、つまり0歳から14歳の人口が、約50年前の1955年に2980万人とピークを迎えてしまったということです。2000年には、1828万人と減少をし、今では1150万人も子供が減少しています。

経済成長の大転換と人口の推移

 今までは、人口から見てまいりましたが、次は、GDPの推移から、経済成長の大転換、これも1995年に転換を迎えています。1995年以降、名目成長率を実質成長率が上回る、極めて低いGDP成長率となっていまして、日本経済にとって、それまで経験しなかった時代が来ています。

 続いて、今までは20世紀について話をしてきましたが、先程のデーター1に戻りまして見てみますと2006年に人口はピークを迎えています。その後、2100年に向けてどういう推移になるかは、今後どうなるか分かりませんから、勿論、推測という事で中位推計、出生率1.39だった場合には2100年には6414万人に減っていく。もっと少なかった場合、出生率が1,10の場合は4665万人に減っていきます。つまり、今後、人口はますます減っていき、明治時代の人口に近いものになっていきます。

3世代世帯の崩壊と「人口逆ボーナス」時代の到来

 私がこの本を読んでいて、これが一番重要なのではないかと感じたのは、家族構成の推移です。つまり、単独世帯や核家族の世帯が増加し、大家族と言われている3世代世帯が崩壊していくという事がこのデーターから読み取れます。あるいは、高齢化の単独世帯や高齢者以外の単独世帯がますます増加していきます。

 これも本当にびっくりしたのですが、今から50年前、1951年には自宅で亡くなられる方は80%を超えていたのですが、2002年においては13,4%にまで下がっているという状況です。つまり、自宅で亡くなられる方は、現在、10人に2人以下で、病院で医師や看護師に看取られて死ぬのが当たり前となっているのです。

 今度は、データー2を、もう一度見てください。先程は、過去の事を見ていましたが、これからは未来についてみていきたいと思います。2000年の人口、ほぼ現在は、総人口1億2700万人、75歳以上の人口は、900万人、つまり、10%以下ですが、2050年には総人口が、9500万人となり、75歳以上の人口が2200万人弱となるのです。つまり、75歳以上の人達が総人口の4分の1になるという、あまり信じたくない結果が出てきています。

 今後、2050年に向けて「人口逆ボーナス」の時代に突入していくという事になります。

医療費の膨張

 次に、データー23ですが、これは、社会保障給付費の推移を書いています。この中で、この本の著者の大武さんも言っているように、一番大きな問題は、医療費の問題であるということです。医療費は、2004年には26兆円になる。そして2010年には34兆円になり、2025年に59兆円まで跳ね上がっていきます。つまり。医療費がどんどん膨らむ時代へとなっていきます。

世界全体が人口減少時代に突入

 日本だけではなく世界的な出生率はどうなのか。これは日本だけでなく世界全体が少子化に進んでいます。例えば人口の非常に多い中国でも、2000年には、出生率が1.9、カザフスタンは1.88、ポーランドは1.34と、つまり、殆どの国の出生率が下がり、少子化が進んでいると、世界全体が人口減少時代に突入したのです。

アジア戦略と知的財産権

 このようなデーターをもとに著者の大武さんが国家戦略、人の生き方を考えていかなければならないとこういったことを言っておりまして、まず初めに、国家戦略というのを考えていきたいと思います。

 大武さんはアジアに目を向けています。その一つが、知的財産です。パリ条約をもとにすると、日本では1899年に結ばれています。アメリカ、イギリスでは1800年代、日本より10数年前に結ばれていましたが、中国などアジア諸国は1980年代以降に結びました。つまり、日本はアジアで最も進んだ法治国家であるといえます。外貨の積極取り入れ、知的財産の管理などが必要となってくるとこうおっしゃっています。

 そして日本が誇る知的財産権ですが、今までは、知的財産権の国際収支はマイナスでしたが、2002年以降は、黒字、受け取り超過国へ転じました。私は、日本が、アジアの中で、世界の中で勝っていくとなりますと、知的財産は非常に大切になると思います。

キヤノングループの経営戦略と特許に対する実情

 私は、前にいた会社がキヤノングループだったのですが、今、勝ち組企業といわれている会社は、この知的財産を非常に大切にされています。

 今、特許で世界一の会社は日本IBM、次にキヤノングループですが、実際に、キヤノングループはどのように取り組んでいるかというと、今までは、特許を取るとなると、技術者が取っていました。つまり、プリンターであればこういう技術を使えば性能の高いプリンター技術ができる。デジタルカメラでも、この小さな一つの部品を使う事によってこれだけ高画質なものが作れるだとか、今までは技術者が特許を取っていました。私もソフトウェアの開発の際には特許を取っていました。

 今、特許の数が増えてきているのは、これは、営業の方が作る特許が増えてきているのです。これは、ビジネスモデル特許といわれるもので、1999年に実際に採用をされています。つまりこれはどういうことかというと、今後、モノを売っていくのに単品でモノを売るということが企業に対して減ってきます。

 つまり、A、B、Cというものを合わせて、ソリューションという形で会社に提案をしていく。つまり、今、企業の売り上げはどうか、利益、社員はどうかという会社の経営を理解し、つまり、このソリューション、このビジネスモデルをあなたの会社に導入すると、今まで10あった工程が7になって、3削減されます、時間や労務も削減できるという事を提案していくという形になっています。

 現在、営業が提案書を出す時には、既に特許を取っているという事が大切な時代になっています。競合他社の撃退は特許で企業はやりますし、展示会、講演会の前には必ず特許を出してからお話します。

 今、私はこういう話をしていますけれども、その際に提案者をポンッと出すときには、「特許出願中」の一文字を入れておきます。それをすることによって、ビジネスモデルは他の社員の方や、社会の他の方も使えなくなります。こういう形で知的財産を守っていく会社は、もちろん国内外でも勝ち残っていく事ができるのです。

 実際の所は、キヤノングループの特許出願状況を見ていただけたら、分かりやすいのですが、グラフの上の線はキヤノンIncといいまして、キヤノン株式会社で、メーカーです。キヤノンの場合は、キヤノン販売というグループ会社がしています。キヤノンは以前から特許を取り続けているので、横ばいなのですが、販売会社は1999年にビジネスモデルの特許を取ってここから、ドンとあがっています。

 営業が特許を取る所がこれからは強くなっていく、今までは日本はモノづくりに力を入れてきたけどこれからは営業の方でも、ビジネスモデルを確立させていく事が必要なのです。

国や地方自治体は三視主義に徹するべき

 次に、生き方の大転換ですが、大武さんがいうには、現場に戻り、現状を分析する、現場の視点に立ったもの作り、三視主義、つまり現場、現実、現物に徹底する事が必要であり、そして、学ぶより考えることが必要だと、自分の置かれている状況をよく分析し、自分の頭で考える。つまり、今までの既成概念にとらわれない事が大切なのです。

 そして、もてる資産を活用する。土地、人、モノ、金を活用していく。自分でできる事は自分でやる。自分達ですべき事と、国や自治体にやってもらうことの峻別。

そして、これからは、平均寿命が延びていくので、元気な間はしっかりと働くこと。中高年の労働市場を早急に整備することといっています。

親子、親族の関係の希薄さと社会貢献を望む若年層

 最後の、日本人の生き方の中で、私が、データーで面白いと感じたのは、あるいは、これはこれから気をつけていかなければいけないと思った事は、手助けが必要な場合の頼む相手ですが、ここ7年間、つまり平成6年から13年の間に、親子や親族のウエイトが減少していて、市町村などが増加しています。

 今、若い方々は個人主義で周りのことを考えていないと言われますが、データー31の社会の貢献意識を見てみますと、1985年を境に、社会のために役立ちたいと考えている人が増加し、あまり考えていない人を大きく上回る状況があります。

まとめ:

国家戦略の大転換と生き方の大転換

 まとめに入ります。大武さんが言っている問題点というのは、人口減少、出生数・出生率の低下、働き盛り人口の減少、晩婚化・非婚化の進行、超高齢化、75歳人口急増、医療費などの社会保障制度の維持困難。

そして、家族構成が変化をしていく中で、対策として、国家戦略の大転換、つまり、アジアの経済発展を活かす、アジアに欠けるものを補っていく、そして、日本の特徴を活かしていくということを挙げられています。

 生き方の大転換をする。現場主義、考える、持てる資産の活用、自分でできる事は自分でやることが必要だと大武さんはいっています。

中谷智司の考える問題点・解決策:

大家族制の実現と家族の温かみを持つ社会へ

 この本を読んでの私が考える問題点、解決策、そして大切だと思ったところを述べさせていただきます。私は一番の問題として考え、また同時にこの本のデーターに表れていたのが、家族構成の変化です。

 核家族化、少子化が進み、高齢者の単独世帯・子供のいない世帯が急増するというデーターです。家族・親族の信頼の崩壊といいましょうか、地域に家族や子供、孫がいなくなって無理やり崩壊させられた所もあると思いますが、人口移動、意識変化で家族、親族が崩壊して、医療・介護は病院へ、教育は学校へ、その他自治体へとこうなっている事が私にとっては、大変大きい問題であると思いました。

 そして、どのように解決をしたらいいのかと私なりに考えますと、ゆるやかな大家族制が必要なんだろうと思います。つまり、3世代世帯の実現をしていく。1つの屋根の下でなくても、同じ地域に家族が住む環境を整備していく事によって、今、問題となっている、医療、介護、教育、子育てに家族の温かみを持ったものとしてやっていけるのではないかと思いました。

中小企業を活性化と産学連携の必要性

 その為には、何が必要なのかと言いますと、私は11年ぶりに徳島に戻ってきまして、やはり、地方における雇用の確保というものが大切なのではないかなと感じました。

 徳島に限らず、日本は、社数で97%、働いている人で75%が中小零細企業という現実を見ると、大企業を誘致するよりも、今ある企業、中小企業を活性化することが大切なんだろうと思います。

 そしてもう一つ、隠れている優良企業がたくさんあります。つまり、地元に根付き、地元に貢献する企業のことです。10年前の日亜化学がまさにそうであったと思います。今では、非常に有名になってきていますが、私が大学にいた頃、日亜化学に行きたいと思った人は誰もいませんでした。日亜化学というと社員が500人を切るような、まさに中小企業の代表格でした。そういうところをきちっとアピールさせることが必要なんだろうと思います。

そしてもう一つ、地元で高校までは過ごして、大学は、首都圏や、近畿圏に進学する方が多いと思いますが、そこの大学を卒業したら、地元には戻らないで、その大学の地域で就職されると思います。もし、いい人材を残すなら、大学に残ってもらう事が必要です。

 優秀な大学に進学するのであれば、首都圏に流出してもやむをえないと思いますが、その地元の大学と同じ位のレベルの大学に進学するのであれば、これはくい止めなければいけないと思います。その為には、優秀な教員や論文、あるいは指導者の育成を図っていくなど、特色のある研究活動や産学連携、大学発ベンチャーなど、徳島や香川などでしっかりしてもらうと、そして、カリキュラム、社会貢献、学生へのサービスを向上させることが必要です。

 今、大学では独立行政法人になって、ある程度、大学が権限を持ってやれることになってますので、しっかりとしていく事が必要です。私も最近知ったのですが、徳島大学は、産学連携では、全国の3位で、中小企業だけに絞ると全国で1番だそうです。大学発ベンチャーにおいても、全国の大学の中で21位という優れた結果を出していますので、こういう大学を作っていくことが必要なのではないかと思っています。以上で、私の方からの、簡単ではございますがゼミレポートを終わらせていただきます。ありがとうございました。

就業構造・年齢構成の変化と地域に適応した政策の必要性

仙谷由人:中谷君、ありがとうございました。素晴らしくよくまとまっている報告でした。33ページの経済社会の構造変化というところに、下から二番目は人口問題ですが、産業構造の変化といいましょうか、就業構造の変化と書かれている所があります。1次、2次、3次産業のところが歴史的に見て、昭和25年から劇的に変わってきています。

 ここで我々が考える問題は、日本全体の数字、徳島、香川、高知はどうなのかという変遷の数字を頭に入れ、絶えずそのことを意識をすることが必要です。

 それから所得の給与化といいましょうか国民所得の構成のところに、雇用者としての所得が増え、個人企業の所得が、昭和40年に22,2%だったのが、平成15年には4.7%になっています。つまり、昔の自営業者が極端に落ちてきているということです。

 例えば国民健康保険の構成のところを見ますと、市町村国保や国民年金は自営業者あるいは、農業従事者という所をターゲットにして、国民皆保険、国民皆年金の制度が作られました。国民皆保険は医療保険のことです。

 今、市町村国保は、無職が半分以上、雇用者、勤め人なのに市町村国保に入っている人が20%から25%、農業関係者と自営業者は20数%しかいないといった構造になっています。つまり、農業関係者と自営業者はどんどん少なくなってきて、年齢構成からみれば高齢化しているというこんな事が今の日本の平均的な構造だと思います。

 これが地域ではどういう構造になっているのかということをきちっと頭に入れておかないと、政策が、その地域にマッチングしたというか、適応した政策が出てこないと思います。

根拠のある客観的な事実に基づく政策をとらない日本の政治の悪い癖

 今、医療の世界では、EBMという言葉があります。これはEvidence-based Medicineといいます。これは、根拠のある治療、証拠のある治療でなければいけないという事になっています。

 政策も、実はEvidence-based policy、つまり、根拠のある客観的な事実に基づいて政策をとらなければならないと思います。ところが、厚生省を見ていますと日本の役人は無茶苦茶なのです。殆ど、自分達が作った政策がどういう効果を生んだかという客観的なデーターを作ろうとしません。

 なぜしないか。それは役人が2年で変わるからだという説があります。つまり、役人が担当部署を2年間で変わりますから、3年目からはそこには政策を作り、実施した人がいません。それからそういうところには予算がついていない。

 これは公共事業と同様で、イニシャルコスト(初期導入費用)といいますがハコモノを作る場合は補助金がおりてきますが、ランニングコスト、つまり、日本は基本的に維持管理費には補助金が下りないということになっていますから、ましてや後から検証をしたりする部分には金がついてこない事になっています。

 そういう後ろ向きの馬鹿馬鹿しい事はやらないと、今までは、そういう事後的なことはやって来なかった。そうなると政策が、根拠のない政策が打ち上げ花火のように次から次に役人の思いつきのままにやってしまう。

 マクロ的なデーターに基づいてやる、あるいは新しいデーターに基づいてやったとしても、今までお金をつぎ込んだ政策が、どういう効果を持ってどのように効果があったのかということが検証されないまま、次から次に場面が変わってしまうというのが日本の政治の悪い癖であり問題であると思います。

周産期医療の危機と住民の選択

 先ほど、周産期医療、“お産”の話をしましたけど、地域社会では以前から、問題となっていましたけれど、改善されないばかりかひどい状況になっていて、今度の福島の事件を契機に、産科の勤務医が逃げ出し、産科そのものが閉鎖してしまう可能性があります。

 この事件は、ある意味、合理性を持つということでは示唆を与えているのかもしれません。徳島であれば徳大病院か中央病院に、絶えずヘリコプターが出動を待って、患者さんが出られるとヘリコプターが飛んで、患者さんを乗せて集中治療センターへ飛んで帰ってくるみたいな機能を持たせることが必要になってくるのかもしれません。

 県立海部病院と県立三好病院は多分、1人医長です。医長さんが2〜4人体制で24時間365日回すということになっていて、チームを組んで手術を行うという体制にはなっていないんだろうと思います。そうなると、今度の福島の事件のようなことがいつ起きてもおかしくないような状況の中で、そこで勤務する産科のお医者さん達は、県立海部病院と県立三好病院から逃げ出し、産科などは閉鎖してしまうかもしれません。

 そうなれば、「海部や三好の患者さんも、徳島市の中央病院に来てください。ヘリコプターを用意しておきます」みたいな話になるのです。

 ただこれは住民の選択の問題であろうと思います。そこに問いかけていくというのが政治の役割ではないだうかと思います。

地域におけるコミュニティーの崩壊

 そして、私がちょっと気になったのは、243ページのところに「私達の世代が家庭や地域を置き去りにして量的拡大を目指して仕事に明け暮れた結果、家庭教育、地域による社会教育を放棄して、すべて学校に押しつけたからではないでしょうか」と書いていますが、このことを我々がもう少し本気で真剣に考えて、どのようにしたら克服できるのかということを考えなければいけないと思います。

 つまり、今日のこの本は日本のプラスの面である特許、知的財産権の問題や、ク−ルジャパン、かっこいい日本とはこうなんだということを大武さんが書いていますし、アジアとの連携によって日本は生き延びるという方向を示してくれていまして、私もその通りだと思っています。

 しかし、辛いところは地域や家族が崩壊しつつあるということなんだろうと思います。昔ならば、家庭でカバーできていたこと、もっといえばリスクを回避できたこと、家庭内で解決できたことができなくなって、本来は家庭での解決機能が弱くなったときは、地域社会が包み込めばいいんだけども、どうも地域社会は、今度の大雪で新潟をみていたら、コミュニティーといいましょうか、官じゃない地域社会、つまり、税金を使わないで隣近所の力で解決していく という地域社会とか、コミュニティーが殆ど崩れかけている地域がかなりある。これは、中山間地域というか過疎地に行けばそういう問題がありますし、それから、都市部では足立区の42%の就学援助とか、大阪の西成、住吉なんかは大変厳しい状況で、都市的なスラムが生まれるという恐れがあります。

 昔は大変貧しい方々が住んでいるところは、かえって、温かい人情味あふれる連帯があったのですがこの頃はそうはいかない。そういうコミュニティーの力も相当落ち込んで、結局、官といいましょうか自治体に全部問題解決が投げかけられているという事になっていると、このデーターをみて改めて再確認しました。

 それを克服するには、もう一遍、地域の力をつける、地域の力を何らかの方法で高めていく、助け合い、連帯というものを高めていくということなんだろうなと思います。

そのためには、地方政治といいましょうか議会、議会と住民の生活を繋ぐ機能を誰が担うのかということが一番重要なんだろうと私は思います。春日井市の企画調整部長にまでなさった経験がある小川さんいかがでしょうか。

思想、哲学、理念がある政策決定と小泉政治の限界

小川淳也:

 役所から出てきている政策は検証がされていないというお話ですが、私の経験からも全くその通りだと思います。その典型的な例は、昨年の年金改正だと思います。その時の参議院選挙では自民党は負けましたが、あの時、50年、100年維持できる年金制度だといいましたが、その年金は前提として出生率1,32でしたが、強行採決が終わった後に突然、出生率の1,29を出してきました。

 私は、この年金推計を行った人が責任をとるぐらいの重々しい政策決定でなければいけませんし、そういう厳しい声があってもいいのではないかと思います。BSEの問題でも同じ事です。誰が悪いということを問いません。

 詰まるところ、日本では人口増と経済成長が、そこまで結果を検証したり、成果を問われない時代が続きすぎたと思います。しかしこれから人口が減り、経済が低成長期になりますと本当にやらなければならない事しかできなくなります。本当に成果が出るのかという事を問われざるを得ない時代が来ると思います。

 最近、少し変わってきたと思うのは、小泉改革において、国家公務員の定数5%純減する、三位一体改革、4兆円補助金削減し3兆円税源移譲する、特別会計を半減するといった数字が踊っていることです。

 大変変わってきたと思うのは、数字の根拠について役人に聞くと曲がりなりにも昔はちゃんと説明ができていました。ところが今はわからないと言い出す。何が起きているかといいますと、数字だけ出して、積算や根拠が殆ど後付で政策決定がなされているという状況です。時の政治権力が方向性を導く事はいいことだと思います。役所は自らの省益は超えられませんから政治権力が方向性を出す事はいいことだと思います。

 ところが、その数字に対する思想、哲学、理念がこめられてしかるべきだと思います。そこが大変希薄であり、小泉政権の限界であると共に国民にとって不幸だと思います。役人任せではなく政治的リーダーシップを作り上げなければいけません。

そこには、小泉さんには欠如している思想、哲学、理念がある中身のあるものでなければいけないと思います。結局、我々国民が選挙で、具体的政策を持って一票を投じるのか。そことの契約関係を従来の関係ではなくて、具体的成果目標を国民と時の政治権力との間で契約をしなおさなければいけないと思います。

自治体(石井町)の現状

仙谷由人:

 非常に的確に小川淳也さんがこの間の経験から分析したんだろうと思います。94、95ページにこういうくだりがあります。「これからは、子供を産むモチベーションを高めるということからも、子育てというものに社会全体で取り組む必要があると思います。私は、これからの少子化・超高齢化社会においては、お年寄りでも元気なうちは社会に貢献すべきだと思っていますが、その意味では、孫軍団を元気なお年寄りの老人集団が面倒をみるとか、地域で助け合う運動を起こす必要があると思います」と書いてあります。     

 横田さん、石井町では何か問題となっている事項はありますか。

横田氏:

少子化問題、人口減少時代の到来についての問題については、石井町でも一番の関心事項となっています。

 石井町の人口推移を見てみますと、徳島県は人口減少が進んでいますが、しかし、石井町では人口は微増しているという現状です。これは、石井町では、出産する人には国保で祝い金という形で、町独自の条例で30万円提供しています。

 次に医療費の問題ですが、石井町では国保、老人保健、介護保険の総額が初めて、一般会計を上回りました。大変、石井町にとって危機的状況だといえます。

役所における「本社直轄の決算なしの販売戦略」がもたらした罪

中谷氏:

 議員の方にお伺いしたいのですが、政策立案の為には、技術が必要だと思いますが、数値という言い方を、仙谷さんや小川さんはされましたが、それがきちっとできていないということは、何が悪くて、どこを叩けば出てくるのですか。事実がない上に政策や制度はできないと思うのですが。

仙谷由人:

 やはり、企業でいえば、決算なしの本社直轄の決算なしの販売戦略のような形で役所はここまで来てしまった。

 企業の場合は、ある種、決算で総括するといいましょうか、どこが悪かったのか、どうすべきなのか、どういう販売戦略をとればいいのか、あるいは販売戦略だけではなくてどういう品物を作っていかなければいけないのかというところまで遡っていかないと潰れますから、どこかで気がつきます。

 しかし、政治の場合は、まだ気がついていない。気がつかなくても中央政府が何とかしてくれる、あるいは、補助金が減らされて自主財源が増えるということは甚だ迷惑な話だよなという意識がまだ地方にはあると思います。

 先程から言っているような決算をする機能が、会計検査院的決算はあるけれども、政策の効果を含めた決算をする体制はありませんから、それ基づいて政策を作ることはなかなかできません。むしろそこまでしなくてもここまでやってこれたという所はあります。

成功体験における2度の境目と政策立案・決定の透明性

 成功体験の中でやはり1985年が日本は一つの境目だったんだろうと思います。もう一つの節目はバブル崩壊後、97,98年です。そこから、自殺・フリーターが急増しました。

 経済的にいうと85年が一つの節目で、97,98年も経済的な節目としては大変大きくて、そこをピークとして雇用者所得等が減少しました。

 先程の中谷君の質問に答えるとすれば、データーをとる体質がないという事と、データーが集積されて分析が遅いものだから、例えば2年かかれば2年後にはデーターに基づく政策を打とうとすれば、もうそういう事実は変わっているという事があります。あるいは、霞ヶ関の場合には、2年間でキャリア組が代わっていくことが一番大きいのかもわかりません。

 そういう意味では、地方自治体、地方公共団体、市町村の場合は、変わっても住民の見えるところにいますから、誰がどういうことをしたかということを覚えていますし、議会の方々も覚えています。

 つまり、中央政府とは違って、より生活に近い所で政策の立案をした人、あるいはそれを決めた議会、首長は目に見えるところにいますから、生活回りの政策については実績で評価していく事ができうるのだろうと思います。

事実に基づく検証の必要性

高井美穂氏:

 数字や統計などは目指すべき方向性に向けて調整できるものですが、官僚の皆さんは説明をする際にもデーターに合わせて説明をされます。

 例えば、先の国会で格差社会が問題となった時にジニ係数から見ても格差が広がっていると言っているのに対して、官僚は、いや格差が広がっていないデーターもあるとおっしゃいました。 やはり、事実の検証をしていかなければいけないと思います。

補助事業だけを握りしめた三位一体改革のインチキ

泉氏:

 鳴門市においては財政破綻目の前という状況でして、一生懸命やっているのですがどう考えても国の動向一つで全て今までの努力が水の泡になってしまう恐れがあります。

 今回、児童手当の負担率が上がりまして、その負担率を地方特例法で見るという話ですが、そんなことよりも、我々が今まで、努力して作ってきた計画が水の泡になってしまうという事になります。

 国は地方に行革をやれといいますが、国はどこまで求めてくるのかという所を民主党はどのように考えていますか。

仙谷由人:

 これは、事務の種類からいえば法定受託事務と自治事務との関係にも繋がると思います。

 児童手当や扶養手当は国の仕事、つまり、ナショナルミニマム、国の政策として少子化対策とか子育て支援を全額、国が負担しなければならない話だと思います。そして、事務費はむしろ国が地方へ渡していかなければいけないのに、今度の三位一体計画では、補助率を変えるというやり方です。

 ここに先程おっしゃられたどこまでやってくるのかという話があるんだろうと思います。自治事務は本来は地方でご自由にやってくださいと、今までは、税財源の配分がうまく仕事の量に応じた事ができてなかったので、仕事の量に応じて税財源の配分を変えますという補助金を廃止、税源移譲、つまり4兆円補助金削減して3兆円の税源移譲をするという話ですが、何故1兆円分隙間が開いているかというと完璧に自治体の仕事にすれば、陳情に行く費用も要らないし、事務経費もいらないし、重複分が削減できるだろうという意味だとしか考えられません。私も、事務経費は2割ぐらい減るだろうと思います。

 本来は全面的に霞ヶ関の仕事から放棄して、その税財源を各自治体に渡せばいいのですが、そこも補助率だけです。補助事業は握り締めて各省庁、各部門がコントロールをきかすという体制で、一部補助金を削減して、その分は税源移譲する所に入れますということですから、自治体から見えにくい。

 仕事の量は同じで、相変わらず同じことをしながら、その事業をやりなさいといわれます。本来は、やりなさいといっていない事になっています。これは自治事務ですから、やろうがやるまいが自由なのですが、機関委任事務時代から続いていますから、やらなくてはいけないし、やりなさいといわれているし、やる為には要綱に基づいて申請書を出して、それが内示が返ってきて、また上に行って5往復ぐらい書類が往復するのが霞ヶ関や市町村は当たり前なのかもしれません。

 しかし、私たちは補助事業だけを握り締めた形での三位一体改革はインチキであり、地方自治体の自立や自由度が増すということにはならないと思いまして基本的には反対です。

データーにおける生活の皮膚感覚で捉える必要性

 今日は、データーを我々の生活の皮膚感覚でとらえることが必要なんだろうなと思います。各地域によってとらえ方が違いますし、その違いを自信を持って言えるようにしなくてはいけません。まずは、現場を歩いてみるということが必要だと思います。

以上